私が日中問題に取り組む大きな理由に岳父である野田武夫の存在があります。父が常日頃申していたのは、日中は隣国でお互い引越しできない『一衣帯水』の関係にあること。二つ目に過去の歴史を振り返り、どんなことがあっても二度と戦火を交えてはならないこと…といったことでした。残念ながら父は悲願である国交正常化をみることなく旅立ちました。私はその父の遺志を継いでこの40年余り日中の良好な関係の構築に心血を注いでまいりました。
私は従来日本外交の基軸は日米が右足、日中が左足と表現してきました。その一方である日中関係が現在国交正常化以来最悪の状況下にあります。
時代の流れとともに国交正常化時の経緯を知らない世代が多数を占めるようになりました。また両国にはそれぞれ国家としての矜持、歴史があり、異なる体制があります。しかし、一時のナショナリズムで火が付けばお互いに傷つくことは明白です。
私はこの危機的状況を脱するために40年の経験と知恵、交友関係をフルに活用して日中関係の再構築に全力で取り組んでいます。